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超高真空とは
10-5乗Paの環境 ―超高真空の世界
超高真空の定義は、10-5乗Pa(パスカル)とされています。
1Paは1㎡あたり1N(ニュートン)の力が作用する圧力のことで、通常の大気圧は1013hpa(ヘクトパスカル)、つまり、101325Paになります。
地球上(1013250Pa)の環境下で、10-5乗Paの環境を創りだす技術が超高真空技術なのです。
別の視点から説明しましょう。
大気中では、1立方センチメートルあたり、1000京個(10の19乗)の空気の分子が存在します。これに対して超高真空の世界では、1立方センチメートルあたり、10万個(10の5乗)以下の分子しか存在していません。
その凄さがお分かりいただけるのではないでしょうか。
なお、当店を運営している株式会社ムサシノエンジニアリングでは、超高真空を超える極高真空の世界を創り出す技術をもっています。これは10-9乗Paの世界です。
超高真空を創り出す技術
一つのボルトでさえ妥協しません
超高真空の世界を創り出すには、密閉した容器を用意し、高性能なポンプで空気を抜き取ります。ただ、ここまでの真空度を創り出すためには、単にポンプで空気を抜いていっても実現不可能です。
なぜなら、そのやり方では、装置内部の表面から出てくるガス及び、素材の内部から拡散して出てくるガスなど、通常では考えられない場所からのガスの発生を極限まで防がなければならないのです。
ガスの発生を防ぐためには、材料からの放出ガスの知識、シール面からの漏れの防止、溶接の仕方、機械加工の仕方、表面処理の仕方、等様々なノウハウ・技術力が求められます。
例えば、物質の表面はミクロの目でみると粗くなっています。この部分からガスが放出されます。表面処理を行うことで、ミクロ単位での平滑を実現し、また、物質表面にガスが付着と放出を遮蔽するバリア層を形成し、物質表面からのガス発生を極限まで抑えます。
また、シール面(部品と部品の接合部)は空気漏れ(リーク)を起こしやすい場所ですが、ここからリークを防ぐためにはシール面が分子レベルでしっかりと封止されなければなりません。
当店で取り扱いしている製品は、まさにこの環境を実現する高性能な製品ばかりです。ボルト一つとっても、ガスの発生や吸着を防ぐ、様々な工夫が施されています。高レベルの真空度を実現するためには、一つのボルトでさえ妥協することは許されません。
超高真空環境を保証するために
部品を売って終わり、ではありません
超高真空の環境を達成・維持するために、当社では上記技術を全て把握した上で、高精度なガス分析を行い、部品レベルで真空の保証をしています。
当社で生産される真空用部品から放出されるガスの種類を常に分析することで、さらに高性能な製品を生み出し続けています。
当社製品は、厳正に管理された状態でお客様のお手元にお届けいたします。
お客様にてご使用される場合は正しい方法で取り扱って頂く必要がございます。「真空部品の専門店」では、部品を売って終わりではなく、専業メーカーのノウハウをお客様に提供しております。
使用方法や、取付方法でお悩みのことがあれば、遠慮無く当社までお問い合わせ下さい。真空のプロが責任を持ってお答えします。